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8月。どうですか? 元気にやれそうですか?
7月を迎えた時にはなんだかとても気持ちよくなりました。訳もなく高揚感に包まれ、カレンダーの日をめくるだけでちょっとした充実感をもったりして。これが7月にしかない夏の魔法なのかもしれません。それもそのはずです、なんせ『夏休み』という特別な時間が迫り来るとあらば、自然と毛穴から体内のバイキンが放出されて、嫌なことなんか全部リセットできるような気分になれたからです。
ところが8月となると、すでに夏休みも2週間ちかく消化されて、いや、消化にはほど遠い、ただただ怠惰な時間を過ごしただけの話なんですが。とにかく8月の声を聞くと、ちょっとした不安や焦りなんかも発生するんですな。
つまりこういうことです。これから始まろうとする夏休みを前に、“40日もあるんだ。この夏にはきっといろんな何かが僕を待ち受けてて、その何かのなかで僕は特別な経験を積み、やがて夏休みが終わった頃には、40日前とは格段と違う僕に成長している”という自分勝手な妄想に包まれていたのですが、実際夏休みが10日ほど過ぎたあたりから、“あれ、おかしいぞ。何も変わらん。それどころか、前よりもダラダラで時間が無駄に過ぎてるだけじゃん”というダメダメ包囲網に引っかかって、そんな自己嫌悪地獄から抜け出せない奴は、友だちと会う気力も失せ部屋に閉じこもってカーテン閉めっぱなしでオナニー漬けになるか変態メールを送り続けるか、あるいはリスカ系のネガ小説を読みふけるかのいずれかになってしまうわけです。
そう思うと部活動ってありがたかったですね。それやってるだけで、緊張したり興奮したり責任感じたりしくじって後悔したり、とても感情的な日々を送ることができるわけですから。まして多数の人たちとの交流もあり、孤独を感じることさえもなく、健やかに時は流れていくのですから。
夏とはそういうものです。夏を迎えようとする時期こそが夏のピークであり、梅雨が明け太陽が毎日頭の真上でギラギラと輝きはじめた頃には、そこにはもう厳しさしか残されていないのです。
ユーミンはこう言いました。
『夏の中にも12の季節がある。一年をかけて過ぎてゆく時間と景色とそれに揺れ動く感情が、夏という時間の中には詰め込まれている』
つまり、この夏の中でもう秋風が吹きはじめているのです。
それをつまらないとか物足りないとかいうことは自由です。
ただ、そんな12のストーリーを持つ夏の刹那を感じてこそ、この夏はあなたにとってかけがえのない時間となるのです。
気がつけば僕らはとっくに夏休みとは縁遠い大人になってしまったけれど、それでもずっと心の中に流れる『夏休み』という時間軸の中で、僕らは今年も残された夏を過ごして行くのです。
夏。残酷な季節の中で、あなたはどんなあなたになっていくのでしょう。
9月になる頃に、そっと確かめてみてください。
それでは残酷で素晴らしい8月に、いってらっしゃい!
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